坂本さんの立目ぽんかん
会いに行ける生産者人にも優しい環境で歴史を守る!坂本さんの立目ぽんかん
須崎市浦ノ内立目地区で立目ぽんかんの生産をされている坂本浩司さん(立目ぽんかん組合長)。
約50年前から3代に渡って果樹園を営む老舗農家さんです。
豊かな自然環境
立目ぽんかんが生まれた立目地区は、浦ノ内湾沿いの内陸側にあります。
浦ノ内湾は横波半島によって形成され、湾口から湾奥までが三里(12km)もあることから横波三里と呼ばれています。波が穏やかで静かな美しさを見せる絶景地で、釣りや海洋スポーツも楽しめます。
温暖な気候で日当たりの良い南向きの山で栽培される立目ぽんかんは、太陽の光をたくさん浴びて美味しく育ちます。また、海から吹く潮風はミネラルをたくさん含み柑橘に良いと言われています。
希少なぽんかんをより多くの人に
高知県のブランドぽんかんとして有名な「立目ぽんかん」。立目ぽんかん生産者組合は、坂本組合長を筆頭に十数軒の農家さんで成り立っています。
一般的なぽんかんに対して立目ぽんかんの生産量はごくわずか。貴重なぽんかんが毎日決まった時間に集荷場に持ち寄られます。
立目ぽんかんは通常のぽんかんと比べて香りと風味が違うのが特徴だそうです。
現在は糖度を基準に味を評価されがちな時代ですが、ただ甘いだけでなく糖度と酸度のバランスの良い昔ながらの味を是非味わって欲しいと坂本さん。
「五感で感動してもらえる旬の果物」をコンセプトに全国発送も積極的に行われています。
五感で感動してもらえる旬の果物
立目ぽんかんの歴史を守るため
坂本さんの果樹園で一番古いぽんかんの木は約50年にもなります。木の高さは4mほどにもなり、収穫作業は危険と隣り合わせ。2m以上もある脚立にのぼります。従業員は高齢の方がほとんどで、人手不足という問題を抱えています。
しかし、立目ぽんかんの歴史を守り続けたいという一心で日々考えを巡らせていると坂本さん。安全第一で作業することを心がけ、休憩中は従業員の皆さんで車座になって和気あいあいとされているそうです。
こうして、「持続可能な働きたくなる事業」に向けて意欲的に取り組まれています。
取材を終えて
急斜面の続くスリリングな山道を遊園地のアトラクションのように車を走らせて、坂本さんの果樹園にたどり着きました。
果樹園から下を見下ろすと断崖絶壁!そして、大きくて静かな浦ノ内湾の絶景が広がります。空からは暖かい日差しが心地よくぽんかんを照らしていました。
和気あいあいとされている従業員の皆さん、高齢化で人手不足でも働きやすい事業を目指して前向きな坂本さん。人も果物も居心地が良い場所。そんな印象を受けました。
立目ぽんかんの歴史を守るべく、今日も精力的に取り組んでいる人達がいる。そんな農家さんの想いを感じながら、この立目地区だからこそ生まれたぽんかんの味を是非味わって欲しいです。